「悲しくてやりきれない」
女子美のみなさん、こんにちは!
今年度より杉並学生相談室でソーシャルワーカーを担当します、西島です。
みなさんが安心して過ごせるよう、お手伝いができたらと思っています。
4月、新しい年度が始まりましたね。新たなステージにときめく気持ちとともに、慣れない環境や人間関係にしんどさを感じ、「居場所がない」と感じてしまう方もいるのではないでしょうか。
そんな方へ、今回は私のおすすめの作品を紹介したいと思います。
『この世界の片隅に』という作品をご存じでしょうか。
この作品は、第二次世界大戦中の広島を舞台としていますが、いわゆる「戦争漫画」とは一線を画しています。ふわりと舞い込んだ縁談により、あれよあれよと19歳で見知らぬ土地へ嫁ぐことになった主人公・すずさんが、過酷な情勢のなかでも明るくけなげに、ときにユーモラスに日常を営みながら、自らの居場所を見つけていく物語です。
作中で、子どもができず“ヨメのギム(嫁の義務)”を果たせないことを思い悩むすずさんに対して、友人のリンさんは「誰でも何かが足らんくらいで、この世界に居場所はそうそう無くなりゃせんよ。」と声をかけます。
居場所は最初から見つかるものではなく、ときに迷いながら、自分のペースで少しずつつくっていくものなのだと思います。
また、劇場版作中歌の『悲しくてやりきれない』は、コトリンゴさんの柔らかく包み込むような歌声で、歌詞の中で絶望を静かに表現しています。その響きは、人が生きていくうえで抱える悲しさや、やりきれなさの存在を肯定してくれるように感じられます。
生きているなかで悩みや憤り、不安や孤独感が生じることは、避けがたいことのようにも思えます。
ときには、その悲しさに無理に抗わず、身をゆだねてみることも、ひとつの過ごし方なのかもしれません。
『この世界の片隅に』は、さまざまな感情を抱えながら日常を送るなかにある、ささやかなあたたかさや苦しさ、そして生きていることについて考えさせてくれる作品です。
映画版も原作もどちらもおすすめですが、私はまず映画版から観ました。映像や音楽も含めて、この作品の世界観に触れやすいと感じています。
それでも悲しくて悲しくて、とてもやりきれない時は、相談室で気持ちをお話されることもひとつの向き合い方かもしれません。
居場所を一人で見つけようとしなくても大丈夫です。相談室が、そのひとつとなれたらうれしいです。
また学生相談室では現在、図書室にて「ときに落ち着き、ときに揺さぶる、読む栄養」と題し、医務室・学生相談室スタッフおすすめの本を展示中です。
図書室へ行かれる際は、ぜひチェックしてみてください!
杉並学生相談室
キャンパスソーシャルワーカー 西島