赤ちゃん時代に思いを馳せる
私たちは胎内で育ち、産道を通ったりお腹から取り出されたりしてこの世に生まれ出ます。一体化した状態から、分離した個別の存在として生きていかざるを得ません。
出産の大変さに焦点が当たることは多いですが、赤ちゃんとなる個体が産道を通ってくることやお腹から取り出されることの厳しさや大変さは、見過ごされがちかもしれません。想像してみると、どの赤ちゃんも死に物狂いで何とか険しい道を辿ってきているのではないでしょうか。
スイスの生物学者のポルトマンによると、人間は他の哺乳類と比べて自立度が低い状態で生まれてくる(生理的早産)と言われています。そのため生まれた後も、必ず周りの誰かに育ててもらわなければ死んでしまいます。世話を受けるために赤ちゃんは必死です。大声で泣き叫び、赤ちゃんのニーズを一生懸命伝えているのでしょうか。
その愛らしい見た目からは想像しがたいですが、赤ちゃんは命をかけた必死な行動の連続で何とか生きてきたのかもしれません。誰もが赤ちゃん時代を必死に生き延び、個別の歴史を辿って子ども時代、そして大人へと成長していくものです。
赤ちゃん時代について思いを馳せ、さらに一人一人異なる個別の人生について振り返っていくことは、自分を知ることにつながるかもしれません。
杉並キャンパスカウンセラー 森井